ノートパソコンでメール返信の下書きを確認する人と、封筒から文書へつながるイメージ

「AIには興味があるんです。でも、今は忙しくて。少し落ち着いてから考えようと思っています」
そんな声を聞くことがあります。

経営者や個人事業主の方なら、よく分かる気持ちではないでしょうか。
目の前の仕事を回すだけで一日が終わる。
そこに新しいことを覚える時間まで、と言われると、ちょっと身構えますよね。

ただ、私が少し気になるのは、忙しい仕事を楽にするためのAIが、「忙しいから」という理由で後回しになってしまうことです。
何か大きな準備をしないと始められない。
そう考えると、最初の一歩がずいぶん遠くなります。

AI導入を大きく考えすぎていませんか?

AI導入と聞くと、会社全体の仕事を洗い出して、社員の意見を集めて、計画を立てて……と、立派なプロジェクトを想像するかもしれません。

もちろん、業務を整理することも、現場の声を聞くことも大切です。
私も、それを飛ばして何でもAIに任せればよいとは思いません。

でも、全社的な導入計画を考えることと、今日の仕事で一度使ってみることは、分けて考えてよいはずです。
全体の準備を進めながら、手元の小さな作業で試す。そんな始め方もできます。

「導入」と名前を付けた途端に大仕事になりますが、「この返信、下書きだけ手伝ってもらおう」なら、少し気が楽になりませんか。

最初はメールの返信で十分です

例えば、日程調整の返信です。伝えたい内容は決まっているのに、丁寧な言い回しを考えているうちに手が止まる。そんな一通を、AIに手伝ってもらいます。

日程調整の返信を、丁寧で簡潔な文章にしてください。相手はA社の田中さん(仮名)。来週火曜日の午後なら対応できるので、都合のよい時間を尋ねたいです。

実際に試すときは、顧客情報や社内の機密情報をそのまま貼り付けず、人名や会社名を仮名にするなど、情報を絞ります。社内に利用ルールがあれば、その範囲で使ってください。

できた文章を読み、日時や伝えたい内容を確認して、自分らしい言葉に直す。
送信するのは自分です。
AIが書いたからといって、そのまま送る必要はありません。

「ここは少し堅いな」「この一文は要らないな」と手を入れて構いません。
立派な仕組みを作らなくても、返信の下書きを一度頼んでみる。
それも十分、AI活用の最初の一歩だと私は思います。

今日の仕事で、一つだけ試してみる

一度使っただけで、仕事が急に楽になるとは限りません。
頼み方がうまく伝わらず、直す方に時間がかかることもあるでしょう。

それでも、実際に触ると「こういう文章なら手伝ってもらえそう」「この部分は自分で考えた方が早い」と、自分の仕事との相性が少しずつ見えてきます。
その感覚は、全体の計画を考えるときにも役に立つはずです。

忙しさが落ち着く日を待つだけでなく、今日のメール一通から試してみませんか。
最初の一歩は、そのくらい小さくてよいと思います。

次の一歩は、この3つから。

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この記事を書いた人

白石貴義
白石貴義合同会社GSK 代表
合同会社GSK代表。中小企業のためのAI業務設計パートナーとして、「ゼロを、1にする。」をコンセプトに、社内でAIが使われていない状態から、現場で使われる状態に変える支援をしています。ビジョンは「AIで仕事の抜け道を発見」。業務のヒアリングから設計、現場への定着まで、一緒に手を動かしながら伴走します。

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