音声入力から始める、仕事の効率化

AIを使いたい。でも、入力するところで手が止まっていませんか?

「AIを仕事に使うと便利らしい。でも、何をどう入力すればいいのか分からない」。そんなとき、最初の壁になっているのは、AIの難しさよりも、入力する手間かもしれません。

タイピングに慣れていないと、状況を詳しく書くだけでも時間がかかります。短く済ませようとして背景や希望を省くと、返ってきた文章もどこか違う。そこで使うのをやめてしまうのは、もったいないと思います。

私がおすすめしたいのは、まず音声入力を試すことです。手を動かす前に、口を動かしてみる。いつもの言葉で仕事のことを伝えるところから、AI活用を始めてみませんか。

まずは、いつもの言葉でAIに話しかけてみよう

最初から整った文章や、完璧な指示を用意する必要はありません。伝えたいのは「何をしたいか」「どんな状況か」「どう仕上げたいか」です。

たとえば「今日の日報を作りたい。午前中は資料を直して、午後は社内の打ち合わせをした。いつもの項目に分けて、短くまとめて」と話してみる。それだけでも、下書きの材料になります。

ここでいう音声入力は、話した言葉を文字にして、AIへの指示や材料として渡す使い方です。AIと音声で会話し続ける機能でなくても構いません。会社で使ってよいAIチャットと、利用できる音声入力機能を組み合わせます。

うまく伝わらなければ「もう少し短く」「この点も加えて」と補います。一度で仕上げるより、やり取りしながら近づけるくらいで大丈夫です。

AIに伝える三つの要素と、人が確認するまでの流れ

議事録・日報・メール返信。身近な仕事で試してみよう

最初は、下書きの内容を自分で確かめやすい仕事を選んでみてください。次の三つは、使い方の例です。

業務音声で伝える内容AIに任せること
議事録決定事項・担当者・期限・未決事項議事録の下書きに整理
日報今日の作業・進捗・困ったこと・明日の予定所定の項目に整理
メール返信相手の用件と、返信の要点・口調返信文の下書きを作成

議事録:会議の後に、決まったことを話す

会議が終わったら、覚えているうちに要点を口述します。

「今から会議のメモを話します。決まったこと、担当者、期限、未決事項に分けてください。資料の修正は私が担当、期限は来週火曜日。価格の決定は次回に持ち越しです。不明なことは補わず、未確認と書いてください」

これは会議後の口述メモを整理する方法です。会議全体を録音・文字起こしする方法とは異なり、話し忘れた内容までは残りません。元のメモや参加者の確認と合わせて仕上げます。

日報:今日の出来事を、順番を気にせず話す

頭の中で日報を完成させてから入力しなくても構いません。

「今日の日報を作ってください。資料の修正を終えました。打ち合わせで確認事項が二つ出て、明日の午前中に調べます。実施内容、進捗、課題、明日の予定に分けて、簡潔にまとめてください」

社内の書式があるなら、その項目を先に渡しておくと、使いやすい形に近づきます。

メール返信:伝えたいことを話して、文章にしてもらう

返信対象の内容を、社内ルールで扱える範囲で示したうえで、要点と口調を伝えます。

「このメールへの返信案を作ってください。資料を受け取ったお礼と、内容を確認して水曜日までに返事をすることを伝えたいです。丁寧だけれど堅すぎない、短い文章にしてください」

いずれも、AIが作るのは下書きです。氏名・金額・期日、決定事項の抜けや言い過ぎを人が確認し、メールは宛先も確かめてから送ります。

AI活用の入り口で大切なのは、自分の仕事を言葉にすること

音声入力の良さは、文字を打つ手間を減らせることだけではありません。「なぜ必要なのか」「誰に見せるのか」「何に困っているのか」といった背景も、言葉にして渡しやすくなることです。

文系・理系を問わず、自分の仕事や目的を説明する力が役立ちます。専門的な操作を覚えることと同じように、何を任せたいかを伝えることも大切だと私は考えています。

話がまとまっていなくても、「まず要点を整理して」「足りない情報を質問して」と頼めます。返ってきた質問に答えるうちに、自分の考えも整理しやすくなります。

声に出すのが恥ずかしいなら、まずは一人の場所で短く

職場でAIに話しかけるのは、最初は少し恥ずかしいかもしれません。まずは一人で話せる場所で、一件の日報や一通の返信案から試してみてください。

音声入力が合うかどうかは、環境や人によって違います。話しやすい部分は音声、固有名詞や細かな修正はキーボード、と併用しても構いません。

周囲に聞こえる内容と、社内の情報入力ルールには気を配ります。確認・修正の手間も含めて、自分の仕事が少し楽になるかを見てみましょう。

音声入力に慣れたら、いつもの仕事を定型化しよう

何度か使うと「日報は毎回この項目」「返信はこの口調」といった、繰り返す指示が見えてきます。その指示を保存して使い回すものが、カスタムプロンプトです。

たとえば日報なら、「実施内容・進捗・課題・明日の予定に分ける。伝えていないことは追加しない」という指示を保存しておく。毎回変わる今日の状況だけを音声で伝え、同じ書式で整えてもらう。こうすると、頼むたびに一から説明する負担を減らせます。

GSKでは、AIの利用を独自に次の五つのレベルで整理しています。業界共通の基準ではなく、支援の段階を考えるための目安です。

レベルGSKでの定義
1AIチャットを使う
2カスタムGPTやカスタムプロンプトで定型業務を簡略化する
3自分たちで業務フローを設計できる
4業務全体の自動化につなげる
5開発を行う

まずはAIチャットを使うレベル1から、定型業務を簡略化するレベル2へ。音声入力は、その入り口としておすすめしている方法です。音声入力そのものをレベル1の定義にしているわけではありません。

音声で状況を伝え、指示を定型化し、自社の業務フロー設計へつなげる流れ

その先には、仕事のどの段階でAIを使い、どこで人が確認するかを自分たちで設計するレベル3があります。日々の小さな使い方が、その土台になります。

まずは、仕事の一つにAIを使ってみよう

AIを導入すること自体が目的ではありません。仕事の負担を減らし、お客様への対応や売り上げにつながる活動に時間を使えるようにすることが目的です。

高度な自動化まで進まなくても、日報をまとめる負担や返信文を考える手間が軽くなるなら、それも大切な変化です。まずは今日の仕事を一つ選んで、いつもの言葉で話してみてください。

GSKのAI業務設計サービス「AIフロー(AIFLOW)」では、身近な仕事からAIを使い、活用を定着させる支援を行っています。「自社なら何から試せそうか」を相談したい方は、GSKのお問い合わせページからご連絡ください。

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次の一歩は、この3つから。

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この記事を書いた人

白石貴義
白石貴義合同会社GSK 代表
合同会社GSK代表。中小企業のためのAI業務設計パートナーとして、「ゼロを、1にする。」をコンセプトに、社内でAIが使われていない状態から、現場で使われる状態に変える支援をしています。ビジョンは「AIで仕事の抜け道を発見」。業務のヒアリングから設計、現場への定着まで、一緒に手を動かしながら伴走します。

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